【後編】経営企画のリアルな業務一覧!押さえるべきポイントを解説

基礎編

こんにちは まことです。

元1部上場企業の経営企画部長で、現在は中小企業向けの経営コンサルタントをしています。

前回は経営企画の【前編】経営企画のリアルな業務一覧!押さえるべきポイントを解説しました

経営企画の3大業務は、こちらの記事を読んでください。

今回は 、後編を解説します。

経営企画の業務一覧(後編)

経営企画の業務一覧
経営企画の3大業務

・中期経営計画の策定

・単年度予算の編成

・特命プロジェクト の推進

その他の業務一覧

前編

■ 組織の変更、再編、新設
■ 新規事業の開発・推進
■ M&A 戦略立案・推進
■ グループ会社管理

後編
■ 資本政策の立案
■ 組織・風土改革
■ 取締役会等の会議体事務局
■ コーポレートガバナンスの立案・推進
■ 経営幹部育成計画の立案(サクセッションプラン)
■ 海外展開の立案・推進
■ コンプライアンス推進・リスク管理
■ SDGs・CSR・ESG・健康経営の立案・推進

資本政策の立案

資本政策とは、大きくわけて2つあります。

1つめは、資金調達です。

第三者割当増資により、新株発行して資金調達をします。新株発行により、既存株主の利益が希薄化しますので、株価を維持するための施策とセットで資金調達の計画を立案します。

2つめは、資本構成の最適化です。

複雑な持合関係が生じてしまい、ガバナンス機能に支障をきたす場合があります。その場合に資本関係を整理するために、株式移動を立案します。

大株主の持株を他社に譲渡してもらったり、市場で売却してもらったりし、最適な株主構成をつくります。

企業の成長ステージや経営環境によって目的や手法は多種多様ですが、資金調達と資本構成の最適化を組み合わせて資本政策を立案します。

組織・風土改革

組織風土とは、 「会社の中で、はっきりと明示されていたり、暗黙的に認識されている、考え方や行動、 感情に影響を及ぼす規範や 価値観」になります。

官僚的な組織風土や、ベンチャーマインドが高い組織風土などと表現できるかもしれません。

経営環境の変化や社会環境の変化により、今の組織風土が陳腐化し、組織が機能しなくなったりします。例えば、コロナ過によってリモートワークが主流になり、官僚型の組織が苦戦しているのは、組織風土がマッチしなくなったからです。

組織・風土改革とは、大きくわけて2つあります。

1つめは、ビジョンや中期経営計画達成に向けた、組織風土の阻害要因を特定することです。

組織風土は、目に見えにくいです。しかし、経営理念や社会環境とアンマッチしてくると、業績や離職率、コンプライアンスなど、あらゆるところでシグナルがでています。

そうした組織風土の課題をいちはやく、把握することが大切です。

2つめは、 組織風土の課題を解決することです。

組織風土改革は、組織が長い時間をかけて醸成したきたものなので、これをやればすぐに変わるといったものではないです。改革には時間がかかり、複数の施策をおこない、根気よく継続的に実施していくことが必要になります。

例えば、社員のモチベーションの源泉も時代とともに変化しています。生産性をあげるため、時代にあった人事制度に移行していくことも必要になります。同時に、ミッションやビジョンを、社員に浸透されせることも同時に必要になります。

取締役会等の会議体事務局

取締役会等の会議体事務局 とは、大きくわけて2つあります。

1つめは、 取締役会等の事前準備です。

事前準備としては、取締役会や経営会議等の議案をまとめることが重要な業務になります。定型的に議案を固定しまうと、経営陣から必ず指摘を受けます。会社の業績、同業他社や社会の状況を常に意識しながら、適正な議案を準備しましょう。

2つめは、 取締役会等の運営です。

当日の議案の順番や時間配分などを作成します。また、議論が活性化するように、出席者からの発言を促したりする進行役としてのシナリオを考えましょう。

会社によって、取締役会や経営会議のスタイルはさまざまだとは思いますが、経営企画として経営陣に議論してい欲しいことを、うまくコントロールすることも事務局の重要な役割になります。

コーポレートガバナンスの立案・推進

コーポレートガバナンスの立案・ 推進は、大きくわけて2つあります。

1つめは、 コーポレートガバナンス・コードへの対応です。

上場企業の場合は、金融庁と東京証券取引所の要請にそった、コーポレートガバンス・コードの制定と公開が必要になります。

コーポレートガバンス・コードは、国際情勢や金融情勢等を反映して、常に改訂されるため、それにあわせて、企業もコードの更新対応をします。

経営企画は、コード改訂の内容や、各企業の動向を調査したりして原案を作成します。

実態とコードの差異を経営陣と協議して、コードを確定します。

2つめは、コーポレートガバンス体制の整備です。

企業の成長する過程で、組織が肥大化したり、子会社の数が増えたりして、経営方針の浸透や、リスクのコントロールが、難しくなったりします。

意思決定の過程を整備したり、監督機能を追加したり、取締役の人数・役割を変更したりして、ガバンスが効くように設計を見直します。

経営幹部育成計画の立案(サクセッションプラン)

経営幹部育成計画の立案(サクセッションプラン) は、人事部門の役割の企業が多いと思いますが、急成長している企業だと、企業の成長に人材の成長が追い付かず、経営幹部の育成が重要な経営課題になることがあります。

サクセッションプランとは、組織上重要なポジションの後継者の見極め、中長期的に配置、育成することをです。

経営企画が、サクセッションプランにたずさわる場合は、大きななM&Aや、組織再編等が計画されており、経営人材の発掘・バッテキが差し迫って必要な場合が多いです。

具体的には、対象者を目的のポストに配置するための、玉突き人事案を考えたり、対象者を支援する体制を整備したりします。

海外展開の立案・推進

海外展開の立案・推進 は、グローバル市場を対象にしている企業と、あくまで国内市場がメインで、今後、海外展開を拡大したい企業とで、経営企画の役割は異なります。

前者の場合は、海外事業部門や現地子会社が、主体になり海外事業の拡大のため業務を担当します。

後者の場合は、経営企画が海外展開・進出の戦略立案や、実務を行う場合があります。企業によっては、事業が軌道にのるまで、現地に駐在する場合もあるかもしれません。

いずれにしても、海外と国内の垣根はなくなり、経営企画の業務もグローバルになってきます。

コンプライアンス推進・リスク管理

コンプライアンス推進・リスク管理は、大きくわけて2つあります。

1つめは、コンプライアンス違反等の事後処理です。

多かれ少なかれ、企業では、社内のハラスメントや法令違反・企業倫理に反する行為が発生します。

総務部門や法務部門、内部監査部門と連携して、再発防止や社員の再教育の体制や具体的な施策を、関連部門と一緒に実施します。

2つめは、コンプライアンス体制の整備です。

コンプライアンス体制の事後処理のあとに、再発防止のためにコンプライアンス体制の整備を行います。あらたな部門を配置したり、監督や監査機能を強化したりします。

SDGs・ESG・CSR・健康経営の立案・推進

社会課題を解決しつつ、持続的な成長を遂げるために必要な考え方として、 SDGs・ESG・CSR・健康経営などが企業に求められています。

SDGs・ESG・CSR・健康経営の立案・推進は、大きくわけて2つあります。

1つめは、経営戦略に、SDGs・ESG・CSR・健康経営を考慮することです

本質的な意味では、これからの企業が多いようにおもいますが、 SDGs・ESG・CSR・健康経営に対する考え方や具体的な取り組みを、経営戦略に反映させます。また、達成目標の設定や見える化も推進します。

2つめは、SDGs・ESG・CSR・健康経営の取り組み事例の収集・発信です。

SDGs・ESG・CSR・健康経営の取り組みは、企業全体におよぶため、実施状況の収集やとりまとめが必要になります。大企業になると、報告書にとりまとめ、発信しますので、経営企画も携わることが多いかもしれません。

まとめ

今回は 、【後編】経営企画のリアルな業務を解説しました。

経営企画の業務は、とにかく広範囲でバラエティに富んでいますね

全体像を把握して、日々の経営企画の業務にお役立てください。

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